2012年 01月 31日
ある晴れた日に 第103回
正月や生死の際のひとやすみ
かのひとの縁の切れ目の年賀状
資本主義でもない社会主義でもない公正主義を空想す
二晩も塩見洋一の夢を見たり どうしているか塩見君
泣け笑え 歌え踊れ 汝幸なる魂よ
野薔薇咲く崖下の家に棲みにけり
鎌倉の改札口で美しき女性と接吻していた小泉画伯みまかりにけり
小泉画伯の遺体を乗せし霊柩車妻のカローラに別れを告げたり
倒れながらよくぞ電話をかけてきた正月6日義母92歳
この世の不条理と不如意に怒りの津波が押し寄せるとき
どこまでも君の欲望に寄生して死んでも離さぬドコモauソフトバンク
ブーと言えブーと言えこの阿呆めがとお前は今年も悪口を言うのか
不満あり無力なりされど英雄気取りのアンポンタンにわが命運をゆだねず
不満あり無力なりされどわが荷物を橋の下に投棄せず
恋は狂気の沙汰にしてつける薬はないわいなあ
森既に黒けれど空まだ青しわれら日のあるうちに遠く歩まん
東大寺より西大寺が好きな人
ムラサキシジミとテングチョウが越冬していた枯葉となって
アラカシの枯葉に似せて横たわるムラサキシジミに幸いあれ
今日もまた貴兄のペニスうんと大きくしてあげるというメールあり
相変わらずお前はアメリカの属国だなイランの石油が要らんとは
全ての国に一個ずつ原爆与えてその直後一斉廃廃棄すればいかがでせう
光明寺に去りし隣の美女が来てナシの種呉れし満月の夜
わかりました行ってみますてふ息子の言葉を頼もしく聞く
病院に行けば病の人ばかり病ならずとも病みし心地す
「徳洲会は世界を癒す」というポスターの下でリハビリを受けている妻
リハビリは一生懸命やりなさいけどやってるうちに腱がピシッと切れる時もあると警告されている妻
なぜ樺太をサハリンなどと言い変える悪辣無法のソ連に奪われしあの島を
なぜビルマをミャンマー表記に改める軍事政権に屈した朝日とフィナンシャルタイムズよ
なにゆえに脳しょうぐあいの君だけにピアノが弾けるのとても不思議だ
お父さんドのダブルシャープはレだよとピアノを弾きながら教えてくれました
異国に咲きはかなく散った燃える恋百五十年後も匂いは失せず
「毎日が日曜日」となっても忙しいのはなぜだろう
幸福は妻と並んで山崎のこもれびプールで平泳ぎする朝
墓地にあれば心慰む生きながら死につつある証か 蝶人

