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晴風万里

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第20回



西暦2015年如月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.193


国際政治の過酷な打算の犠牲となってまたしても散った若い命。無辜の民を無慈悲に殺戮するイスラム国の相次ぐ蛮行に抗議する。2/1

邦人が誘拐されていること、その解放交渉が秘密裏に行われていることを知った上でイスラエルで「イスラム国」への「宣戦布告」を告げるような愚かな指導者がいなければ、2人の若者は斬首されていなかっただろう。2/2

2人が人質に取られていることを知りながらわざわざ中東まで出向いて、イスラエルの首相と並んでテロとの戦いに取り組むと宣言し、「偽イスラム国」と戦う国々に2億ドル供与して支援すると宣言すれば、それまでは何もする気がなかった彼らが牙を剥くのはむしろ当然だろう。

「偽イスラム国」のテロに反対することと、「偽イスラム国」のテロと戦うこととは全然違う。我々の基本的な立場は前者であるにもかかわらず、安倍は我々を有志連合の戦列に巻き込んで、全国民を彼らとの全面戦争の最前線に引っ張りだしたのだ。

いったいどこのどいつが「偽イスラム国」をして「今日から日本人との戦いが始まった」などと言わしめるような莫迦げた振る舞いをしたのだ。2人の邦人虐殺の責任はその厚顔無恥な男にある。2/2

金子兜太翁は毎週金曜日に築地の朝日新聞本社にやってきて、6000句の中から10句を選ぶそうだ。宝くじほどではないにしても、1/600の確率はかなり狭き門とはいえよう。2/4

内閣の長ともあろう男が、「テロリストに報復を!」と叫んでいる。「気狂いに刃物」とはこのことだ。

テロリストと戦うのが大好きな男が、いよいよ憲法第9条にテロを仕掛けようとしている。「気狂いに刃物」とはこのことだ。2/4

テロルにはテロルという悪の連鎖からは、なにも生まれない。目には目を、歯には歯を、という不毛な対決からは、なにも生まれない。2/4

「NHK短歌」と「俳句」を時々みている。「短歌」は斉藤斎藤、永田和宏、小島ゆかりという魅力的な顔ぶれで毎回楽しめるが、「俳句」の方は、蛸壺の奥底でなにやら古めかしい魑魅魍魎が神経質に蠢いているような感じで、中身も選者もつまらない。

俳句は水たまりと戯れるミズスマシ、短歌は小川をスイスイ泳ぐ魚、詩は大洋に遊ぶクジラのようだ。降る雪や俳句は遠くなりにけり。2/9

「なにかの本で読んだのですが、夏目漱石が死ぬときにも、いま死ぬことはできない、というようことを云ったそうです」山本周五郎「季節のない街」2/11

60年代に「深夜同盟暴力委員会」という魅力的な名前の秘密組織があった。深夜お茶の水の某教会で処女の生血を啜るというのでぜひ参加したいと思ったが、決行寸前に週刊誌にかぎつけられて未遂に終わったそうだ。残念無念。2/11

一度だけ畏友北嶋氏の家を訪れたことがあるが、書斎所狭しと並べられた蔵書、なかんずくカント全集全巻に圧倒された。床が抜けたので三鷹に引越すと言っていたが、きっと今頃はまた抜けているに違いない。

私は氏ほど真面目で誠実な人物をしらないが、その勤厳にして実直な勉強家、少年のような含羞の人は、己の主義主張に命懸けの人でもあって、残虐な鯱が群がるキャンパスの坂を上る時は、腹に肥後守を呑んでいたはずだ。

先月の29日に90歳で亡くなった真鍋理一郎氏にBGMを頼むと、氏は1本のフルートを携えてスタジオに現れ、絶妙な即興演奏でその映像に合わせてくれるのだった。2/13

自称右翼の国家主義者は、目には目を、歯には歯をと絶叫する。よろしい、それなら私は詩には詩を、死には死で応えよう。

きのう朝夷奈峠を散歩したら、アカガエルの卵が2玉産みつけられていた。例年よりだいぶ遅いが無事に誕生したのでホッとする。2/15

プーチンと親ロシア派軍隊が、絶妙なコラボレーションを発揮して隣国の領土を蚕食してゆく姿を見せつけられると、なぜか旧帝国陸軍と偽満洲国創生の一大陰謀を想起せずにはいられない。2/20

野党議員が質問しているときに、宰相ともあろう男が、悪ガキの白痴的野次を飛ばす。おそらく「偽イスラム国」に殺された2人の青年の怨霊に祟られたのだろう。一刻も早く青山脳病院で精密検査をしてもらいなさい。2/21

極言すれば、どんなに有名であっても、ミュージカルの音楽は、クラシックの真似をしているphonyな音楽である。だからというて、その価値が低いと貶められることはないが。

時々カルロス・クライバーがいまでも元気に活躍していたら、他の世界中の指揮者は要らないとさえ思うことがある。

クライバーはスロバキアのソプラノ歌手ルチア・ポップの振る舞いに怒って公演をキャンセルしたことは知っていたが、彼がトランクひとつぶら下げて彼女の家に行こうとした話は初耳であった。カルロスのドキュメンタリー『アイ・アム・ロスト・トゥ・ザ・ワールド』

軍隊の運用は文官が行わねばならない。血の気の多い戦争大好きの軍人の暴走を抑えるためには文官第一主義の運用が必須であるにもかかわらず、アホバカ防衛大臣はその戦争防波堤を取り外そうとしている。2/25

NHKの歴史番組に、歴史などに興味も知識もあるとは思えぬ、脳だか心理だかの研究者が出てきて、一知半解の奇妙奇天烈な発言をしているが、無理矢理ああいう色物を添えるのはいかがなものだろうか。2/25

川崎の中学生殺人事件を、朝から晩まで夢中になって報じるメディア人間ども。ついこないだ偽イスラム国人に虐殺された邦人のことなど、早くも忘却の彼方に置き去りにしたらしい。2/27

小林秀雄のエピゴーネン、吉本隆明のエピゴーネン、ピケティのエピゴーネン。すべてのエピゴーネンは、哀しくも醜い。2/28

LINEの発音は関西では右下がりに、関東では並列の高さで発音している(ようだ)。クラブの発音はその意味の違いに基づいて右下がりと山型発音の2種が全国的に使い分けられている(ようだ)。
2/28


   物言えば唇寒き頃なれど云うだけのことは春風に云う 蝶人



by amadeusjapan | 2015-03-15 10:05 | エッセイ

あまでうすが綴る音楽と本と映画と詩とエッセイ
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