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晴風万里

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第23回



西暦2015年皐月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.200



繰り返しましょう。「国際的対決主義」にもとづく積極的戦争主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。

私たちの同盟を「戦争の同盟」と呼びましょう。「戦争の同盟」一緒でならきっとできます。ありがとうございました。

憲法が現実から乖離したのではなく、現実が憲法から乖離していったのだ。憲法前文と第9条の思想がいまもなお正しいとするならば、乖離していった現実を70年前に引き戻すほかはない。5/3

題名と書き出しと最後の文章が出来ていれば、その短編は完成したも同然である。菊池寛
5/4

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれている憲法前文が信頼せよという「諸国民の公正と信義」にはもはや全く期待できないという人もいるが、だからといって中国や北朝鮮、韓国、ロシアには「公正と信義」を重んずる精神が皆無であるとは誰にも断言できないだろう。5/6

憲法前文と9条には、全人類がめざすべき夢と希望と理想が語られているので、人世に夢と希望と理想の持ち合わせのない人々は、それを「非現実的なユートピア論」などと言って忌避する。ユートピアを志向して何が悪いのか。5/6

朝大江健三郎が起きてくると次男桜麻の書いた作文らしいものがテーブルにあった。大江はいつも自分の文章を直しているので、それを添削して感想まで書いた。あとで妻が怒っていて、オーチャンが泣きながら湯川秀樹の文をもう一遍描き直していたという。小谷野敦「江藤淳と大江健三郎」5/6

小谷野敦「江藤淳と大江健三郎」によれば、1983年4月頃、江藤淳は「市職員が午前11時半には昼食を取っている」という噂を確かめるために鎌倉市役所を訪れ、各課に店屋物がいつ届けられているかを調べ、その観察結果を日経に書いたそうだ。5/6

相撲の実況放送が「前褌を早く取りたい出羽の花」と言った。大江光は「アナウンサーが俳句を申しました」と言ったところ、父健三郎が「それは季語がないから川柳だよ」と教えたので、光は少し考えて「出羽の花の花はいかがでしょうか」と言った。小谷野敦「江藤淳と大江健三郎」5/6

新宿の東郷青児美術館にあるゴッホの「ひまわり」はいつ見ても詰らない絵なので、もしかすると偽物ではないかとすら密かに疑っていたのだが、これはどうも完成品の模写らしい。どうりで輝かしい生命力が欠如しているわけだ。5/8

ドミンゴはアンナ・ネトレプコを「カラスの再来」と絶賛しているようだが、そうは思えない。確かに高音の伸びは透明だが、誰のどの歌を歌っても同じ声、同じ歌い方。まるで金太郎飴のようで7色の喉を持つカラスやひばりには到底及ばない。5/9

ネトレプコは言葉と一体のものである音符を垂直方向にがっつり抑えることなく、前へ前へと上滑りに水平移動する。同じマリアでも、カラスはこういう歌い方は間違ってもしなかった。5/9

ジェームズ・レヴァインが棒を振ると、どうしてこんなにヴェルディの音楽が生き生きと輝くのだろう。まるで大船に乗って世界中を遊覧しているようだ。5/9

「積極的平和主義」とは「積極的戦争主義」、「平和法案」は「戦争法案」。この男が「平和」といったら「戦争」ということだ。どうして切れ目のない安保法制シームレス・ストッキングごときで民草の生命と安全を守ることができようか。5/17

沖縄然り、満洲然り、樺太然り、先の大戦から学んだ最大の教訓とは、「国は国民の生命と安全を微塵も守らない」ということだった。安倍は祖父と同じ過ちをおかそうとしている。5/17

「僕が今朝ね、今朝僕がね、僕が今朝ね」、何か所も何か所もそういう風な繰り返しを重ねながら、モーツアルトのピアノソナタ第15番は進んでいく。吉田秀和

「クラリネット五重奏曲」の第2楽章なんかのゆっくりしたところ。これはもうこのまま音がずっと鳴っていて、しかもなににも動かなくていいんじゃないかしらっていう気さえします。吉田秀和

本当にありふれた言葉で、僕は使うのがちょっと嫌だけど、「珠玉のような名品」といったらまさにこのアヴェ・ヴェルム・コルプスのようなものをいうのではないでしょうか。その音楽の純粋な美しさをこんなに出した曲は少ない。吉田秀和

作者は俳優に「世界」を与え、俳優はその「世界」を生きる。演じるのではなく、生きる。それに観客が立ち会う。これが演劇のイロハでありⅩYZである。井上ひさし「代役」

俳優と演出家のもっとも仕合わせな関係は、演出家のもろもろの指示を俳優が充分に吸収し尽くして、ついには演出家の存在がまったく俳優の肉体の中に溶けて消えてしまうことにある。井上ひさし「代役」

劇場的きまぐれと痙攣的出鱈目を笑って許してきた難波の観客が、彼のたった一つの青臭い正論を黙って退けた。さらば稀代のトリックスター!

工事中に日帝による朝鮮人の強制徴用のあった7つの産業革命遺産については、そうした歴史的事実があったことを明記するという条件で、日本と韓国と北朝鮮が共同でユネスコ世界遺産登録を申請すべきだろう。5/23

人世とは、今日何をするかだ。5/23

全国の学友諸君、中東唯一の核保持国イスラエルの既得権を守るために中東の非核化構想をぶッ潰すアメリカの自分勝手をとくと見物しましたか。広島長崎訪問なんぞはほんの刺身のつまだったのさ。5/24

西暦2015年5月24日午後7時半。今年もヘイケボタルが乱舞する。このようなささやかな自然の恵みこそ人世最大の喜びである。

モーツァルトの音楽のような詩を書きたいな。5/25

ベルリン・フィルの次期首席指揮者選びが混迷しているようだ。私が楽員ならベルナルド・ハイティンクかマリク・ヤンソンス、若い人ではアントニオ・パッパーノがいいな。パッパーノとロンドンのロイヤルオペラはいまや世界最高級の演奏をしていると思う。5/26

でぶで無能なドダメルでもベルリンフィルのシェフが務まるのなら、わが大野和士、広上淳一、沼尻竜典のほうが遥かにましな音楽を聴かせられるのではないかしら。5/26

そもそも憲法に違反する戦争法案を審議すること自体が憲法違反なのである。5/29



 われもまた一匹の獣であるMGM映画のライオンとなりて吠えておれば 蝶人



by amadeusjapan | 2015-06-02 10:29 | エッセイ

あまでうすが綴る音楽と本と映画と詩とエッセイ
by amadeusjapan
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