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晴風万里

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「続々なにゆえに」~西暦2014年如月蝶人花鳥風月狂歌三昧



ある晴れた日に第203回


なにゆえにことしはこんなに雪が降る 溶けて流れて水になるため

なにゆえにこんなにあっさり開通したの町内総出で雪掻きしたから

なにゆえに200席の旅客機をチャーターするのかたった2人とプードル乗せて

なにゆえに鳥のねぐらを伐りたるや死に行く老農夫が植えし栴檀

なにゆえに真央のダンスは心打つや試合に負けても人世に勝った

なにゆえに瞬きしかできない身の上でなお悪事を働こうとするのか

なにゆえに君は君のすべてを詩歌に投げ入れないのかとても不思議だ

なにゆえに岩波文庫に誤植あるやその衝撃はJR北海道より凌ぐショキングなり

なにゆえにシャツも手袋も奇麗に畳めるのか君は魔術師

なにゆえに「イイネ」だけを作ったのか早く「ヨクナイネ」を作れfacebookと mixi 

なにゆえに右肩上がりを夢に見る息の上がった老大国よ

なにゆえに「おもてなし」でなく「オ・モ・テ・ナ・シ」でタイ人のように合掌するのか

なにゆえにかえって親しみが湧くのかしら2箇所ばかり誤植のある本

なにゆえにちゃんと耳が聴こえ作曲しない音楽家が現代のベートーヴェンなの?

なにゆえに秘密結社のごとくうろつくの老人ばかりの吟行仲間

なにゆえに月給500円でも頑張っているのか 耕君はふきのとう舎が大好きだから

なにゆえに障がい者と偽るのか悪知恵の働く健常者のくせに

なにゆえにボブディランの曲では踊れないのか鴨下さん踊ったっていいではないか

なにゆえに君はそんなに威張っているの「我こそは右翼の国家主義者の最高権力者なるぞ」と

なにゆえに尖閣竹島を領土と教えるのかまだ確定したわけでもないのに

なにゆえに人間の屑と決めつける君がそうかも知れないのに

なにゆえに旗日に日の丸出さぬかと町内会長が言ってくるだろう

なにゆえに憲法前文をあざわらうこの精神のみが世界に平和をもたらすものを

なにゆえに月給500円が400円に下がるのか耕君に謝れ安倍蚤糞

なにゆえに権力者にはろくでなしが多いのか最下層には善人多し

なにゆえに「アンネの日記」を破るのか我らがまたしても躓くイトレルの罠

岡井隆氏に
八十を超えたスーパー老人が性の睦みのあとさき嘯く

愛恋の別れは遠く去りにけり八十翁の恐るべき欲情

子規を超え杢太郎鷗外と並び立ちギョエテディドロオに迫らむとす君が気宇こそ壮大

子規の絵を俳句短歌と並べ見る岡井隆の眼の鋭さよ

小人はやはり巨人には敵わぬがその巨人も恵里子さんには敵わぬ

神々は今宵静かにたそがれて巨人族の末裔星空に消ゆ

老人は突如少年に様変わり青鷺を故郷の川で追っている

大歌人をさんざん叩きし吉本の「連作詩篇」の下手くそなこと

文芸の進歩はありやなしや個体発生は系統発生を繰り返せども

なにゆえに原発はむしろ被害者と弁護する原発あらばこそ数多の人死あるものを

狭き国に糞づまりたる原発を海に捨てるや山に捨てるや

なにゆえにこの国の核武装を支持するや核あるがゆえに敵増ゆるものを

なにゆえに王に額づき帽を脱ぐあらゆる帽は捨つべきものを

五七五より出でて漸く近づきぬ前人未到テエベス百門の大都

なにゆえに君は歌をうたうのか聖なる女神に捧げるため 


なにゆえに棋士が「はぶ」さんでフィギュア選手が「はにゅう」さんなのとかく日本語は難しい 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-28 11:53 | 詩歌

日経広告研究所編「基礎から学べる広告の総合講座2014」を読んで



照る日曇る日第658回

日経広告研究所が毎年夏に同じタイトルの連続講演会を主催し、それを要領よくダイジェストして年末に発行するこの本は、おそらく本邦の宣伝広告販促本のなかでもっとも興味深いもののひとつだろう。

毎度のことながら、いま広告の世界でどんなことが起こっているのかをマーケテイング理論のみならず広告メディア、ネット、SNS、ブランド・コミュニケーションの現場を熟知しているたたきあげの専門家が、具体的な現業とデータに即してその問題点を率直に語っているために、きわめて面白く、かつまた為にもなるのであるんであるんであるん。

 今回のハイライトは、いま流行のキーワードである「O2Oマーケテイング」(オンライン・ツー・オフライン、オフライン・ツー・オンライン)や、さらにそいつにしんにゅうをかけ、その上をゆく?「オムニチャンネル」に関する村山らむね氏の「スマホ・タブレット時代の顧客コミュニケーション」講座あたりであろうか。

 そこではネットを活用し、割引クーポン、ポイント発行などを通じて「ネットと店舗の双方向誘客」を活性化する「O2Oマーケテイング」や、スマホ、SNS、店舗、ウエブ、テレビなど全方向で顧客のニーズに対応する「オムニチャンネル」の実態が簡潔にレポートされていて、ガラケーの意味をつい最近知り、スマホなど触ったことすらなく、すでに棺桶に片足を突っ込んだ私などにも、それなりに有益な示唆をば与えてくれるのであったあ。

なにゆえに「アンネの日記」を破るのか我らがまたしても躓くイトレルの罠 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-27 11:51 | 読書

かもしれない~「これでも詩かよ」第64番



ある晴れた日に第202回


横浜の栄プールへ行って、平泳ぎで25メートルをやっとこさっとこ9往復した。
合計で450メートル。

区切り良く10往復しようと思ったが、心臓がゴホゴホわめいて駄目だった。
これがいまの私の限界。いまの私の肉体の限界。

生来蒲柳の質の私でも、もっと若い時なら、その倍は泳げたかもしれない。
由良川でも若狭和田の遠浅の海でも、一晩中浮かんでいることができたかもしれない。

もっともっと若い時なら、徴兵されて中国の南京へ連れて行かれて
帝国陸軍の殺し尽くし焼き尽くし奪い尽くす三光作戦!に従事していたかもしれない。

上官の命令は絶対だから、罪もない住民の首を新刀で試し切りし、
妙齢の婦女を同年兵と一緒に強姦していたかもしれない。

どこの国のどの軍隊も慰安婦を引き連れていたそうだから、鼻血ブウの安倍上等兵や橋下一等兵と一緒に毎晩通いつめていたかもしれない。

上官が空に向かって放り投げた赤子の柔らかい腹を、エイヤと銃剣で突き刺して、その真っ赤な血が私の顔に降り注いだかもしれない。

「そうせい」と命じられたら、嫌だ嫌だと思っても、そうしたかもしれない。
それが戦争だなぞと諦めて、眼をつぶってそうしたかもしれない。

やがて舞台がユラリとひと廻りして、また飴色の戦争がやってきたら、
また新しい私のような兵隊が、上官の命令に従ってエイヤアとやるのかもしれないな。

そんなことを思いながら、私はイタチ川を見下ろす栄プールで泳いでいた。
天上から光が差してくるプールのなかは、ジイサン、バアサンで賑やかだった。


なにゆえに権力者にはろくでなしが多いのか最下層には善人多し 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-26 10:32 | 詩歌

夢は第2の人生である 第7回



西暦2013年文月蝶人酔生夢死幾百夜


220)ある村に住んでいたフランス人が、さる老人の死に際して不適切な発言をしたというので言挙げされ、酷い村八分に遭っていた。村人は彼の謝罪と訂正を我慢強く待っていたが、彼はけっしてその発言を取り消そうとはしなかった。7/1

221)2種類の文書がある。文書その1を読んでいると、それはいつのまにか文書その2の内容とダブってくる。文書その2からはじめてもまったく同じようになる。しかし2つの文書の内容は明らかに異なっているのだった。7/2

222)台所とふろ場の改装をしようということになって2つの工務店に見積もりを出させようとしたのだが、2店ともそんなことはやったことがないという。発注を受けたらただちに作業にかかって、終われば請求書を出すと言うのであきれ果てた。7/3

223)突然姿を現したのは旧友のオオブチユウタだった。彼はその隣にいるヤグチキヨコという女を紹介した。その名前に聞き覚えはなかったが、しばらくその顔を見詰めているうちに私の昔の想い人だったことにきづいたが、彼女は私のことをすっかり忘れているようだ。7/4

224)世界王族会議で某国の某皇太子が、「今日からは同じ礼服でパーティに出ることにする。その都度新規に購入していた礼服はわが国の零細非常勤講師諸君を支援するために寄付する」と力強く宣言してくれたので、私は枕に涙を流した。

225)朝眼をさますと、私は1冊の小説も書いていないのに芥川賞を受賞していた。周囲の人がいままでとは違う尊敬のまなこで見詰めてくるので、私もそれが気になって不自然な態度しかとれない。それより早く次回作という名の本当の処女作を書かなければと私は焦った。7/6

226)「待て待て、いまスイッチをひねっては危ないよ」と2回警告したにも関わらず、彼女がうっかりやってしまったために、町で評判の3人娘とその美貌の母親は、ガス爆発の哀れな犠牲になってしまったのだった。13/7/7

227)母親とちょっとしたいさかいを起こしたのが引き金になって、私はあろうことか家族全員を殺害してしまった。それから素知らぬ顔をして職場に着き、いつもどおりにビデオの編集作業をやっているのだった。13/7/9

228)戦争の真っ最中なのに、弾丸が飛び交う都会のど真ん中の田んぼに苗を植えているわたし。このままではヤバイのではないかとうろたえているのに、わが相棒は平然として植え直しを命ずるのだった。13/7/10

229)総務部のA君と打ち合わせを終え、私たちは永代橋の支店に向かったのだが、若くて壮健なA君の脚は早く、あっと言う間に姿が見えなくなった。懸命に跡を追っていると道はいつか巨大なダムになり、私がぬるぬるした壁にしがみつきながら下を見ると、A君の小さな後ろ姿が見えた。

230)私には樋口一葉に似た美貌で盲目の代書人がつねに張り付いていて、私が例えば「薔薇は薔薇薔薇である」とか「林檎は勇気凛々」とか「憂鬱の欝!」とか口走ると、素早く矢立てをとって短冊に墨書してくれるのである。

231)座席指定の寝台列車に誰かが寝ているので、「ここは私の席だよ」と注意したが、タヌキ寝入りをしてとぼけているので、私はそやつのそっ首を両手でつかんで座席の外に放り出したら、あっけなく死んでしまった。13/7/16

232)「箱根八里」を歌いながら、男たちはツキノワグマを解体していた。13/7/17

233)私たちはそのためにではなく、泊まるところがないのでその安ホテルの1室に入ったのだが、どういうわけか途中でそういうことをしてみようという感じになったのであるが、例によって私の精神的肉体的な都合で駄目になってしまって、誠に申し訳ないことだった。13/7/20

234)北欧のどこかの国を訪れていると、3人のそれぞれタイプの異なる少女が私に関心を持ったらしく、近づいてきて「寝よう」と誘うので寝ようとするのだが、私は不能の身ゆえに最後まで役割を果たすことができず、彼女たちは不満そうに離れてゆくのだった。13/7/23

235)それが愛する弟であると知りながら、私は馬に跨ったまま鋭利な鉄器を頭上に大きく振りかざし、気合いもろとも振り下ろし、後を見届けようともしないで駆け去った。ああ、いつかはやるだろうと思っていたことを私はやってしまった。終生忘れることのできない心の傷がそのあとに残った。13/7/24

236)突如戦争が勃発してしまったので、なんでもその場で即座に右か左かを裁く国際移動即席裁判官は、あちらこちらの前線のみならず、この海水浴場でひっぱりだこだった。

237)観光とは「光を観る旅」という意味だが、同文社の前田さんが引率するこのたびの旅行団には、私の家族や親戚も加わって、いつか見たどこか懐かしい場所、まだ見たこともない不思議な土地を次々に訪ねていた。13/7/29


なにゆえに憲法前文をあざわらうこの精神のみが世界に平和をもたらすものを 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-25 11:41 |

ぜんぶ雪のせいだ。~「これでも詩かよ」第67番



ある晴れた日に第205回

なにゆえに突如大好きな「刑事コロンボ」のテレビが消えてしまうの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえにうちの耕君はカラオケに行けなかったの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえにJR北海道は事故ばかり起こすの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえに連戦連勝だった沙羅ちゃんが、ソチの本番でメダルを取れないの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえに政党助成金2億円を着服した人物が、新しい都知事になるの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえに憲法違反で首になった元軍人が60万票もとるの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえに岩波書店まで誤植を仕出かすの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえに人間の屑のような人間が他人を人間の屑と決めつけるの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえにちゃんと耳が聴こえ作曲しない音楽家が現代のベートーヴェンなの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえにこんな酷い世の中になってしまったの?
ぜんぶ雪のせいだ。

なにゆえになにもかもが雪のせいなの?
ぜんぶ君と私のせいだ。

ぜんぶぜんぶ私たちのせいだ。


なにゆえに真央のダンスは心打つ試合に負けても人世に勝った 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-24 11:22 | 詩歌

2001年~2014年のファッション・トレンドを振り返る その4



ふぁっちょん幻論 第84回


06秋冬ミラノ・メンズ=英国伝統再現。ジル・サンダー、プリングル、D&Gなどシックなテーラードへ。アレクサンダー・マックイーン、ミューミュー、初登場のミハラヤスヒロ。

06秋冬パリ・メンズ=ミラノに続いてチエック広がる。ガリアーノ、ナンバーナイン、ヴィトン、ギャルソン、ヨウジヤマモト。

06秋冬ニューヨーク=ジェニファーロペスの「J.Lo」など元気な女性のイメージ。イミテーション・オブ・クライスト、トウーラなどフェミニン&マスキュリン広がる。

06秋冬ロンドン=ジュリアンマクドナルド、イーリーキシモト、プリント減り深い暖色で描くフェミニンスタイル。

06秋冬ミラノコレ=ダークで華やかなミリタリー、ゴシックムードのロリータ調。ださ可愛カントリーガールズ。

06秋冬パリコレ=シャネル、アレキサンダー・マックイーンはじめリアルクローズが加速。立体的なボリュームのせた少女服。日本のES初登場。アンダーカバー、ナオキ・タキザワは小津の白黒映画から発想。マルタンマルジェラはショーの代わりに新聞MMMを発行。

06春夏ニューヨークコレ=強まるシンプリシティ。シンプルなエレガンスが支配。キーワードはピュア。洗練された大人らしさ。

06春夏ロンドンコレ=クリーンなフェミニン。ボヘミアン、ビンテージに終止符。シェイプが復活、主役はひざ上ドレス。さらりボディコンシャス。

06春夏ミラノコ=トロピカルやエスニック、マリンをすっきりと。ロマンチックでクリーンな白。ロマンチック&リラックス、ようこそモダンなミニマリスム。ピュアでまじめな新ベーシックスタイル。」影から光へ、ひろがる透明感。広がるロマンチック&ピュア。

06春夏メンズ・ミラノコレ=セクシュアリテイ&ミニマリズム。

06春夏パリ・メンズコレ=米国のカジュアルとラテンの男くささ。ガリアーノが聖者の行進スペクタクル、コムデオムプリュスはストーンズのグラフィカルスタイル。贅沢素材のシンプルライン。シンプルでノーブルなライン。

06春夏パリコレ=ピュア&クリーン&リラックス。コムデが失われた帝国をテーマ。新ボディコンシャス、細い体をより細く。軽さ、楽しさアピール。

06春夏東コレ=和やアフリカン、広がるフォークロア。

06秋冬パリ・オートクチュール=ペルーやウクライナの民族衣装を取り入れて。

06秋冬ミラノ・メンズコレ=「礼服」風でカジュアル。

06秋冬ニューヨークコレ=セレブ人気沈静化、黒を中心にきちんとつくりこんだ創造服中心。

06秋冬パリコレ=ダーク、簡潔世相映す。マックイーン、ガリアーノ、アンダーカバー圧巻。

06秋冬ミラノコレ=力強い美しさ復活。


なにゆえに秘密結社のごとくうろつくの老人ばかりの吟行仲間 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-23 10:16 | ファッション

アリス・マンロー著小竹由美子訳「ディア・ライフ」を読んで



照る日曇る日第657回


全部で14の短編を並べた本年度ノーベル賞作家の、最新にして、もしかすると最後になるかも知れない小説集です。

私の亡くなった母や私の傍にいる妻君、あるいは昔の橋本治選手や田舎の女性たちは、よく手編みのセーターや帽子や手袋などを家事の合間に孜々として編み上げ、それを誕生日の贈り物にして夫や恋人や子供たちに小さな驚きと喜びを与えていましたが、マンローの短編の風合いもちょっとそれに似ているところがありますね。 

ただし彼女は生きて行くうえでどうしても編まねばならない自家製のホームスパンを、他人じゃなくてほかならぬ自分自身のために、長い時間と手間暇をかけて一針一針刺していく。そしてそこには、彼女の喜びと悲しみが、汗と涙と共に縫いこめられているようです。

だからアリス・マンローを読むということは、私たちが彼女が丹精込めて編み上げたセーターを今日のような寒い冬の夜に着るようなもので、読み進むに従って彼女の心の優しさと暖かさにいつのまにか包まれてゆくのです。時折は人世の厳しさと無情の想いに胸ふたがる瞬間があるとはいえ。

残念ながらマンローその人の高齢化ゆえか、往年の作品の完璧ともいうべき完成後の高さに比肩するといささか劇性の焦点深度が浅くなりつつあることも指摘せざるを得ませんが、わが敬愛する小竹由美子さんの翻訳は、この北国の炉辺の主婦作家の心の微妙な揺れ動きを、いつもながらにわずかな晦渋の跡もとどめず平成の現代日本語に移し替えていて、見事というほかありません。


なにゆえに月給500円が400円に下がるのか耕君に謝れ安倍蚤糞 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-22 10:40 | 読書

ジョン・タートルトーブ監督の「クール・ランニング」をみて



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.625


カルガリ冬季五輪に出場したジャマイカのアホ莫迦突撃ボブスレー5人組の涙と笑いの奮闘記ですが、この信じられないお話は実話ときいてびっくり。ラストのゴールインには感動のあまり涙がちょちょぎれました。

なんというかこういうのを出してくるところがディズニー映画のよいところだと思います。

 4人の選手はジャマイカンなのですが、元ボブスレー金メダルのコーチはアメリカ人で、この脛に傷のあるでぶっちょの人柄、行状には味わい深いものがあります。

 私がこの国を訪ねたのはちょうどブッシュ父が湾岸戦争をおっぱじめた1991年の1月で、モンテゴ・ベイの海で泳いでいたら独逸の青年が「これから世界がどうなるんだろう?」と心配そうに尋ねてきたことを思い出しましたが、世界はその後ますます「ホット・ランニング」の方に急速に向かうことになったのでした。


なにゆえに鳥のねぐらを伐りたるや死に行く老農夫が植えし栴檀 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-21 14:27 | 映画

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第4回



西暦2013年神無月蝶人狂言畸語輯


1匹の動物として生まれ、1匹の動物として死んでいく。それでよいではないか。10/31

この国で生きていると、だんだん息苦しくなってくる。10/30

仏教の「変成女子」が大本教の「変性女子」になり、それが女男になり肉食系女子になった。10/28

「ええ加減にせえよ」
「だいたいでエエンとちゃう」
世の中のことはこの2つで済んでしまう。

メルケルおばさんの携帯を傍受したり、無人戦闘機で見境なく人殺ししたりする偉大なる同盟国のようなことを、及ばずながらこの国の「軍国主義者な右翼」も国民には内緒でやってみたいんだな。

女子のボーカルで勝手に男子になって「ボクは」なんて歌うな。ワタシを主語にして歌いなさい。

自民党が狂奔している「秘密保護法案」は、彼ら自身の手足を縛り、彼らの個人的な「秘密」はもとより、党の看板である「自由」も「民主」も激しく毀損させる稀代の悪法なのだが、愚かなマゾ議員たちはそのパラッドクスを知らない。10/23

短歌は上手な方が上等だという意見が大半どころか全部なのだろうが、私は上等も結構であるが下等も悪くない、という超少数意見を頑なに持っている。歌を上手に歌おうとしないことによって、却ってその人とその歌の真実が露呈されることのほうが多いのである。10/22

今日の仕合わせ。柱時計が落ちたが誰も怪我しなかったこと。家族の誰もが交通事故に遭わなかったこと。地球に巨大惑星が衝突しなかったこと。10/22

プロ野球の試合のすべての投球を撮影し、あとから新聞掲載用のカットを選ぶ仕事なんて、僕はやりたくないな。

ラムボオ 印象的情感+自己批評/ヴェルレエヌ 情感的印象+生きることについての心懸 中原中也

あの鳴り物入りの気違いじみた応援を止めれば少しは強くなるだろう駄目トラ。

すべてラムボオ以前の所謂自然詩人とは、風景の書き割り屋なり。中原中也
 世界に詩人はまだ3人しかおらぬ。ヴェルレーヌ、ラムボオ、ラフォルグ。3人きり。中原中也10/18

「悪魔よ、退け!」塩見牧師

モザールがあれば、エドガー・ヴァレーズは要らない。10/15

従来の古典的な意味合いでの詩の領域に安住することなく、詩をその内容と形式の両面にわたって、なんとしてでも拡張しなければならない。10/13

万葉から古今、新古今への歩みは必然的なものであったとしても、それは詩歌の黄金から銀、銀から銅の時代への急速な退嬰の道でもあった。そしていま木からプラステイックの時代の中で呻吟疲弊する貧血症の我らは、たまには時代を遡行してその源流へと回帰して霊水を啜る必要がある。10/13

だらりと腕を垂れ、深呼吸をひとつしてから眼を閉じると、これまでの人世の疲労と悲哀が、瞳の裏にぜんぶ積み重なっていることがわかった。10/13

静かに私は途方に暮れたい。前田智

「八百屋さん」や「魚屋さん」はともかく、なんで作家を「作家さん」と呼んだりするのかしら。作家は作家でいいのだ。ただの作家なんだから。

即物主義には言葉は同じでも、ただもの主義と直観精神象徴主義の2つがある。

クラッシック音楽におけるノイエ・ザハリヒカイト(新即物主義)的な演奏は、トスカニーニからカラヤンに引き継がれ、それが現代の演奏の主流とされてはいるが、その行詰まりに対する反発が、フルトヴェングラーを追慕するティーレマンなどの浪漫的な演奏であろう。恐ろしく幼稚であるとはいえ。

しかしフルトヴェングラーを追慕するティーレマンやバレンボイムも、一代の天才カルロス・クラーバーには遠く及ばない詰まらない音楽を大量生産しており、彼らの志と彼らが作りだす音楽の大きな落差には、失望と落胆のほかはない。

即物的なマゼール、アバド、ムーティ、小澤、それよりもっと悪質な機械的機能主義音楽を演奏するドダメルやダニエル・ハーディングなどによって汚染された耳は、フルトヴェングラーやチェリビダッケ、ワルターなどのロマンチシズムで除染するより正常化の方策はないだろう。

「日経歌壇」に入選しても与えられるのは名誉だけであるが、「朝日歌壇」では掲載の謝礼に替えて10枚の官製葉書が進呈され、今後の投稿が促される。さすがは天下の朝日新聞だが、「先生の添削が入る場合もあるので了解せよ」というのはいかがなものか。素人独自の下手うまの良さを採るのが、投稿歌壇の使命ではないだろうか。

心優しき魂の持主への相次ぐ褒章には誰も反対しないし、出来ないが、それにしてもこの微かな異和感は何だろう。胸に手を当て、しばし目を閉じて考えよ。果たして故人はそれを望んでいるだろうか?おお、卑しき政治家どものげにおぞましき心根よ。10/4

それはそれなりの歴史と伝統があるには違いないけれど、冷静に考えれば1神社の1行事である。皇族や高級公務員が国民の税金を使って団体で参加するのはいかがなものか。私のようにせっせと貯金した自費で1個人として参拝しなさい。10/4

時々の政府は次々に交代してゆくかりそめの一機関に過ぎない。だからたとえ現今の政府が強大な権力を保持している場合でも、憲法や軍事、人権、教育などの重要課題について世論が大きく分裂している際には、その一方に加担せず、「曖昧な中立性」の立場を堅持しながら、「非決断の緩衝地帯」を残すことが後世への責務なのである。10/1

ロッシーニの「湖上の美人」は、もしかすると彼の最高傑作かもしれない。彼のクレッシェンドと物語の劇性が最良の調和を醸し出している。10/1



なにゆえに「人間の屑」と決めつける君がそうかも知れないのに 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-20 10:58 | エッセイ

夢は第2の人生である 第6回



西暦2013年水無月蝶人酔生夢死幾百夜


193)私は女性の勝気な部下のパワハラにあってろくろく自分が出せず、仕事が出来ないでいたのだが、幸い彼女が別のセクションの課長に抜擢されたのでようやく安堵することが出来たのだった。6/1

194)肝心の商品はろくろく写っておらず、しかもぐちゃぐちゃに汚れていたので大枚ウン百万円を投入した龍宝部長は怒り狂って「こんなタイアップ広告に金なんか払わない。電通に行って取り戻して来い」と叫んだ。

195)大和市のファミリーナ宮下に行って息子の入所準備をしている私。しかしテレビのケーブルをつなごうとしても駄目だし、ベッドを動かそうとしても駄目だ。ということはいまここに居る私は実体のない幽霊のような私ということだ。

196)昔の女が出てきて昔のように付き合おうとするのだが、昔と同じようなところでつっかえてすらすらと時間が経過してゆかない。ということは他の女よりも濃密な時間を体験しているわけだから、これは自分にとって大事な意味を持つ女なのだ、と考えてみたのだがどうも無理があるようだ。

197)打ち上げられたロケットに白い幅広スカートをつけたマリリン・モンローが乗っかっていて、そのスカートの下からカメラで覗くとなにやら奇妙な物が写っているようなので、スタッフ一同が眼を皿のようにしてアップして覗きこむのだが、やはりよく分からない。6/8

198)「こんな時間なのに支店に出張しても大丈夫かい。宿泊とか食事の手配は出来ているのかね」と親切に上司が心配してくれるのだが、私はそんな手配はまったくやっていないにもかかわらず、ともかく現地へ行けばなんとかなるだろうとたかを括っていた。6/10

199)若手の校正記者が「もし」という見出しを読みゴチでつけた。見出しだの下にキャプションも記事もなく、何枚かの写真があるだけなので、「おい、こんな訳の分からん見出しはやめろ」と怒鳴ったが、新米はどうして怒られたのか理解できずに不服そうだった。

200)アンカレッジ経由でパリに飛ぶ双発プロペラ機が墜落し、大勢の犠牲者が出たが、その中には当時の音楽や舞踏、スポーツ、芸能、服飾等の関係者が含まれていた。飛行機会社が営む盛大な葬儀の式中で私の眼を釘付けにしたのは、ある長身の黒衣の美女だった。

201)町内会が主催する後期高齢者対象の葬儀練習会を覗いてみたら、司会者の指示通りに各自が遺影や位牌やお骨を作法通りに並べてお経を唱えたりしていたが、それにも飽きた彼らが呑めや歌えやのドンチャン騒ぎをしている間に遺骨がひっくっり帰って、ごちゃ混ぜになってしまった。6/13

202)トライするチャンスはまだあと一回は残っているというのに、私は妙な自信と余裕からその最後の機会に試技しないで、腕組みをしながら他の競技者の様子を窺っているのだった。6/14

203)新宿の文化学園大学の研究室を訪れて知り合いのK教授と将棋をしていたら、どんどん負け将棋になり、私の王将は盤を逃れて北へ北へと逃げのび、気が付いたら北極海の氷の上で「詰めろ」をかけられていたのだった。

204)NYのJC社の担当者(彼女は東伏見の下宿のオバハンそっくりの容貌をしていた)が製品カタログの説明をえんえんと繰り返す。私は退屈し切って目の前でケラケラ笑い転げている2人のギャルと早く遊びに行きたいと願っているのだが、電話は一向に終わらない。

205)その非常にダサイ製品をキシンシノヤマは文句もいわずにビシバシ撮って、スタイリストは「それなりに見られるような写真が出来上がったとおっしゃっていましたよ」と請け合ってくれたが、それでも不安に駆られた私は、カメラマンの事務所兼スタジオがある六本木に向かった。
6/17

206)私は日本人で初めてのジバンシーのデザイナーになった。「今シーズンは色は変えるが基本的なスタイルは変えないでいこう」と主張したのだが、スタッフたち全員がブーと叫ぶのだった。

207)井上君も大道君もなぜか尻ごみして居なくなったために、独り残された私がラジオのDJ役を務めることになってしまった。しかし実際問題としてはどうしたらよいのだろう。私は途方に暮れてマイクロフォンの前に立っていた。6/19

208)おんぼろの我が家をゴミ収集に出そうとしているのだが、なかなかうまいかない。家全体に荒縄をかけ、そいつをごろんごろん引っ張りながら、いつものゴミ置き場までどうやって移動させればいいんだろうと、私はいたく悩んでいた。6/20

209)いよいよ開戦まであと4日に迫ったので、私は「それまでに家族と一緒に食事をする」、「東京を散歩する」、「遺書を書く」、「妻と心ゆくまで語り明かす」、という4つをやっておこうと思い、すぐに東京行きの電車に乗った。いわば見おさめである。6/21

210)都心に近づいたが灯火管制でここが新橋なのか銀座なのか良く分からない。ビルの谷間に莫迦田大学のアホ馬鹿学生が河童のように集まって奇声を上げているのを、涼しい顔をした藤原新という役者がチャリンコに乗って見物していた。6/21

211)一晩中だだッ広いスタジオの中で、若い裸の男がくねくねと踊っている。私が眠ってしまうと、男は踊るのをやめるのだが、ふと眼が覚めるとまた踊りだす。そんな調子でいつしか夜明けを迎えてしまった。6/22

212)戦争が近づいてきたので、政府は資源確保のために各家庭の高級貴金属類を徴収している。熱心な協力者には戸主の徴兵を免除するという特典がついているので、1日3回と決められた受付窓口は担当者の気を引こうと肌も露わな女たちで大混雑していた。6/23

213)お菓子の店を出さなければならない。売り場の中心はやはり人気実力ナンバーワンのA社にやらせるほかはないが、私はB社を応援したいのでA社のシルバー版を作ることを勧めていたらC社の可愛らしい女子がさかんに迫って来た。

214)いつでも抱こうと思えば抱ける状態になって、その小さく白い娘はすべてを私に委ねたようになって身を寄せてくるが、彼女に性欲をまったく感じられない私は、彼女をそんな無視するように冷たくあしらうほかはなかったが、そんな2人の姿を鋭く見ている男の姿があった。6/25

215)あまり美しくない、というかほとんど醜い顔をした中年の女が私の寝床に滑りこんできて、私の背中から両手を伸ばして胸や性器をもてあそぶのであるが、私は今膀胱が満杯で便所に行きたいと思っていたところだし、そもそも彼女と性交をする体力も気力もないのでなんとかこの苦難から逃げようと身をよじった。6/26

216)徴兵された人間は思いのほか少数で、兵士の大多数は甲種と乙種に別れている戦闘ロボットたちだった。前者はかなり日本語を理解するが後者はほとんど分からないので、私たちは往生した。こんな連中と一緒では戦争なんてできやしない。6/27

217)私たちが住む田舎町にやってきたプロデューサーが、私たち仲良し4人組のうちの誰かを映画に出してやるという。タクちゃんが選ばれそうだというので新しいシャツを買い込んだりしたが、結局最終的にはだれも選ばれず、プロデューサーは町を去った。6/29

218)大津波に追われた私たちが最後に逃げのびたのは、富士山の頂上だった。見渡す限り黄濁した海上に激しく雨が降り注ぎ、生き物の姿はなにも見えない。波立つ海水は足元にまでひたひたと押し寄せた。

219)ふと気がつくと大勢の人間をぎゅうぎゅう詰めに乗せた小さなボートがこちらに近づいてくる。まるでノアの箱舟のようだ。「おおい、2人ならまだ乗れるぞ」と船長が呼びかけたが、私は首を振った。水も食料もないボートに乗っても助かる見込みはない。6/30


なにゆえにこんなにあっさり開通したの町内総出で雪掻きしたから 蝶人
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by amadeusjapan | 2014-02-19 10:50 |

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