人気ブログランキング |

晴風万里

2015年 05月 04日 ( 1 )




日本映画あれやこれや連休7連発!



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.798、799、800、801、802、803、804


○森一生監督の「悪名波止場」をみて

 女どもに金を巻き上げられたりヤクザにつかまって簾巻きにされて殺されそうになったり終始冴えない勝新太郎。

 そして親分のピンチを助けようともせず女と遊び回っている田宮次郎。

 女房を虐待したあげくに殺してしまう水原弘&下手くそな歌を拡散するダサイ青山ミチ、どうにも後味の悪い映画なり。

 見どころは小型ソフィア・ローレンのようなお色気を発散する滝瑛子だけ。


○田中重雄監督の「夜の配当」をみて

 繊維会社のリーマン、田宮次郎が脱サラしてトラブル解決会社を設立し、知謀を駆使して大組織に刃向かう。

 梶山季之の現代的な原作、田宮次郎の活きのいい演技、老練な山茶花究、のちに田宮の妻となった藤由紀子の可憐さなど見どころの多い1963年の大映映画なりい。

 東レなどのテキスタイルメーカーがアパレルを主導し経済界の重鎮であった昔を思い出させる映画でもある。


○新藤兼人監督の「一枚のハガキ」をみて

一枚のハガキには「今日はお祭りですが、あなたがいらしゃらないので、何の風情もありません」と書かれている。戦争で2人の夫に死なれ、夫の両親にも死なれ、女一人田舎の陋屋に暮らしている女性(大竹しのぶ)の半生の物語である。

いろんな事件があって後、彼女は最初の夫の戦友(豊川悦司)と再々婚して再出発するのであるが、2人の男女が天秤棒に水を汲んで麦畑に水をやる姿こそ、新藤兼人の歴史的名作「裸の島」の最晩年における再現ではないか。

私は本作のラストシーンにおいて、不毛の荒地に水を注ぎ、創造の種子を蒔き、営々と耕し続ける100歳の翁の不撓不屈の戦いの姿に接して、大きな感銘を受けずにはいられなかった。


○溝口健二監督の「祇園囃子」をみて

浪花千恵子のお茶屋に身をよせる芸妓木暮実千代が、舞妓志願の若尾文子を引き受けたばかりに身も心もボロボロにされ、それでもけなげに生きていこうとする祇園の女地獄物語なりい。

うわべだけは絢爛豪華に見えても、その色と欲の華やかな高楼を支配しているのは、資本と権力であり、その非情冷徹な論理が、美しく弱い女たちを残酷に貫いていく。

そういう意味では、花柳の巷で呻吟する芸妓、舞妓たちも資本主義の苛烈な戦場に隷属する哀れな性的慰安婦なのだろう。


○加藤泰監督尾の「緋牡丹博徒 花札勝負」をみて

その1 小太刀が長ドスに敵う訳はない。

その2 一宿一飯の恩義ゆえに大河内伝次郎を死に追いやった高倉健が、どういうヤクザの業界論理でその親分と縁を切り緋牡丹博徒こと藤純子の味方をするのかがいっさい説明されていない。

その3 健さんと藤純子が雨や雪が降るからお互いに傘を貸しっこするうちに情を通じて徒党を組むようになったという演出?は昔なら小児左翼病?とでも言われた旧態依然たる星菫主義でおらっちまともに見てられないよ。

その4 むかし一度見たはずだが、こんな詰らない映画だとは思わなった。


○古川卓巳監督の「太陽の季節」をみて

 石原慎太郎原作の三文小説を映画化した三文映画で、なぜか裕次郎ではなく長門裕之が主演している。女を妊娠させ堕胎に追いやった若者が女の葬式に洗われて遺影に石を投げつけたら遺族は男を半殺しにするのではないだろうか。

 ゆいいつの見どころである男根障子破りのシーンがきちんと撮られていないのは残念だが、ヒロインの南田洋子が輝くばかりに美しい。


○矢口史靖監督の「ロボジー」をみて

 2012年製作の邦画で、御年76歳の五十嵐信次郎ことミッキー・カーティスがロボットの着ぐるみ、(だから「ロボ爺」)を演じて世界をあっと言わせる喜劇映画である。

 でだしが詰らないので見るのを止めようかと思ったが、だんだん面白くなって、最後は夢中で見てしまった。

 考えてみれば矢口史靖は「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」の監督だからくだらない作品をつくるはずのない人物であった。

 吉高由里子が愛らしく、五十嵐信次郎が枯れた味を出している。


   れぴとだんき独輪階じ上舌で聴わ人選鬱欒きらら 蝶人



by amadeusjapan | 2015-05-04 09:51 | 映画

あまでうすが綴る音楽と本と映画と詩とエッセイ
by amadeusjapan
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

以前の記事

2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月

最新のコメント

sukebass117..
by amadeusjapan at 11:47
コメント失礼します。 ..
by sukebass117 at 14:39
こんにちは。 私も汐留..
by desire_san at 23:10
santiargonさ..
by amadeusjapan at 14:18
明白な輪郭も色彩もなく、..
by santiargon at 13:54
santiargon さ..
by amadeusjapan at 11:21
desire_sanさん..
by amadeusjapan at 11:19
こんにちは。 私も六本..
by desire_san at 06:39
埴谷雄高の『自動律の不快..
by santiargon at 04:23
こんにちは。 私も六本..
by desire_san at 13:23

メモ帳

最新のトラックバック

ライフログ

検索

タグ

ファン

ブログジャンル

画像一覧