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晴風万里

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NHK「世界ふれあい街歩き」を見て



バガテルop156&茫洋物見遊山記第90回


おおむねが消えてなくなればいい民放のアホ馬鹿番組の洪水の中で、やはり腐っても鯛、「皆様の」NHKは、有料とはいえ朝晩の定時ニュースをはじめ貴重な戦争記録証言、Nスペ、サラリーマンネオ、ぶらタモリ、音楽番組、CMや吹き替えなしの映画などを届けてくれる貴重な放送局です。

数年前からはじまった「世界ふれあい街歩き」という世界のあちこちをカメラを担いだスタッフが漫歩するというのどかな番組もわたしのお気に入りのひとつで、あのどこか懐かしい村井秀清のテーマ音楽と共に、それがどの町であってもひとときの海外旅行を実際に楽しんでいるような気分に誘ってくれます。 

この番組でいいのは観光地をライブ感覚で歩いていることで、もちろんそれが周到なリサーチでシミュレートされた結果であるとはいえ、思いがけない風物と小さな事件、わけても現地の住民との一期一会の突然の出会いがあるということです。

ガイドブックを時折参照するとはいえ観光名所をあえて避け、見知らぬ裏町の路地の奥にオンタイムで入っていく視点がいままでの観光番組との決定的な違いで、これは初心者のための農協ツアーのその先にある通(つう)の旅行態度に近い旅行スタイルでしょう。

私たちはたとえフィレンツエのサンタマリアデルフィオーレ大聖堂の壮麗さを忘却したとしても、ヴェッキオ橋のたもとで出会った一人の宝石売りの老婆の面影を忘れることはないのです。


大ウナギはタヒチの神様ヤシの実に顔が似ているから誰も捕らない 蝶人



by amadeusjapan | 2012-08-04 10:10 | エッセイ

NHKミュージック・ポートレート「山本耀司×高橋幸宏」を見て



バガテルop155&音楽千夜一夜 第263回&ふぁっちょん幻論第70回

老境を迎え最後の後退線を懸命に戦う山本耀司の人世の応援歌は、中島みゆきの「ヘッドライト、テールライト」の「旅はまだ終わらない」というルフランであり、彼が人世の最期に聴きたい曲は、中島みゆきの「愛だけを残せ」だと言いながらいつのまにか涙目になっている無惨というも愚かな姿を見た私は、思わず目頭が熱くなるのを覚えた。

若き日の革命的な成功は徒遠い日の打ち上げ花火と去り、老残の身に襲いかかるのは破綻した事業と華麗なキャリアのおとしまえ。耀司はいま栄光に包まれた己の過去を振り返り、「僕はこれまで誰か一人でも幸せにすることができただろうか?」と呟くと、相方の高橋幸宏も涙ぐんで言葉も無い。

「愛だけを残せ 壊れない愛を 激流のような時代の中で 名さえも残さず 生命の証に 愛だけを残せ」と中島みゆきの唄は耀司を励ますのだが、耀司は「鏡に向かって笑ってみたら 男の抜け殻が写ってた」といつのまにか年老いた少年のように、平成の浦島太郎のように、悲しく頬笑むのだった。


犯人は捕まらなくても構わない防犯カメラは即止めるべし 蝶人

日本全国防犯カメラ基本的人権肖像権ゼロ 蝶人



by amadeusjapan | 2012-06-10 08:40 | ファッション

ダメダバダアエヌエッチケエ



バガテルop152&♪音楽千夜一夜 第256回



春です、新学期です、新番組でやんす。

超保守派の私は民放が嫌いで日本放送協会の放送を好むんだけど、それは同じアホ馬鹿でもアホ馬鹿度がかなり低いからだ。特にそれは報道番組や特集で顕著に現れ、「皆様のNHK」においてはそれなりのアナウンサーがそれなりに客観的にニュースを伝えているのに対して、多くの民放局では放送時間が超短く、アナウンサーの日本語の発音が歪んでいて情報の優先順位や重要度の価値観が混乱しているのみならず、報道を劇場化・芸能化・漫画化して伝えようとする傾向が甚だしいのであまり見ないようにしているのだよ。

 しかし春の番組編成でNHKは訳の分からぬ新番組を始めたね。お昼のニュースの後でなぜかクイズ番組がはじまり産休明けダブルベービーの武内アナが司会を命じられているようだが、彼女はNY帰りの島津アナともどもミスキャストだす。もっと活かすポストを与えるべし。and天気予報で下らないダジャレを吐いている眼鏡男も即消えろ。

されどいわゆるひとつの音楽への無私の献身&愛情のひとかけらもなく、恐るべき主体性&音楽感性零の技術ロボットで、さなきだにそのテクも一部の優れた学生オケやアマチュア団体より下に位置する超ユルイ井の中の蛙&官許専売公社N響の「なんちゃってアワー」を止めたのは結構毛だらけ猫灰だらけで、できれば耳汚しのN響自体も明日解体し、大阪の教育文化弾圧大好きハシズム市長からいじめられている優れた民間オケに補助金として差し出してほしいものだ。

彼らやサイトウキネンが秘かにうぬぼれて日本一を自認している間にチョン・ミョンフン率いるソウル・フィルが東洋一、いな世界的水準のオーケストラを育成し、なんと独グラモフォンと契約していたなんて誰も知らないだろう。悔しかったらこの名コンビによるマーラーの交響曲1番と2番、フランス音楽の録音を聴いてみなさい。

それはともかく、一等解せないのは読書人必見の「週刊ブックレビュー」を止めたこと。司会や出演者には異論もあったが、「戦争証言記録」「世界ふれあい街歩き」とともにこれこそNHKが続けるべき番組ではなかったのか。

 もっと許せないのは「サラリーマンNEO」が姿を消したことじゃ。これはお笑い無き民放の白痴低能のアホ馬鹿バラエティを巷に低く見るわが国で唯一無二の正統的コント番組であった。一日も早く復活してほしいものである。

 
視聴率を捨て最高視聴質を目指せ皆様のNHK 蝶人


アホ馬鹿と怒鳴りアホ馬鹿と罵るたびにアホ馬鹿野郎と成り果ててゆくアホ馬鹿野郎 蝶人



by amadeusjapan | 2012-04-21 09:31 | エッセイ

ばかばかしいことを書いてみたくて



バガテルop148

プロ野球の日本シリーズがとうとう終わってしまった。

落合ドラゴンズにも勝たせたかったが今回は選手層の厚い軟弱銀行が実力相応だろう。しかし監督力ではあきらかに俺流の方が上であった。大洋ホエールズを裏切って軟弱銀行に身売りした内川が汚らしくガムをぐちゅやぐちゃ噛んでいるのが不愉快だった。お前はロッテの選手ではないのだからやめれ。

もっと不愉快なのは今年のドラフトで日本ハムから指名されたのに辞退したあほばか選手で、独裁者ナベツネが絶対支配するあほばか読売軍団に留年してでも入りたいというその根性からしてもう腐っている。いくら金を積んで他球団から補強しても優勝できない虚人の時代はもうとっくに終わっていることが大学生のくせに分からないのか。来年は全球団がこいつを指名すべきだ。

そんな野球のテレビ中継を見ていると以前は「2ストライク3ボール」と言っていたのが、あべこべになっている(こういうときに「真逆」などという厭らしくて下品な造語を使用するのが最近の流行らしいが、これは清く正しく美しい正規の日本語ではなく愚かな造語であるから即やめれ)。アメリカの大リーグにならったそうだが、ストライクよりボールを重要視するとは愚かなことだ。政治経済のみならず野球までが、まっとうなやり方を放り投げて占領国の悪しき範例に盲目的に従うというのは敗戦国の負け犬だということがまだ分かっていないらしい、ワンワン。

しかしその野球中継が終わってしまったので、私がテレビで特に見たいものは皆様のNHKの「グッド・ワイフ2」くらいしかない。早く「サラリーマン・ネオ」を復活せよ。あれがわが国の全プログラムでもっとも面白い番組である。

それにしてもそのNHKのBSのロゴが大げさになったのは解せない。以前はBSpremiumだったのに、いきなりごっつい3がついて「BSpremium3」と右上にクレジットされるようになった。めざわりかつ鑑賞の妨げになるからすぐやめれ。


暖かな布団に包まれてぐっすり眠るほどの仕合わせはない 蝶人



by amadeusjapan | 2011-11-22 11:15 | エッセイ

極月三題噺


バガテルop133

日本経済新聞。
毎日これほど膨大な数字を取り扱う媒体は類を見ないが、石川啄木のような人が校正しているのであろうか。たまには誤植もあるのではなかろうか。この新聞の文芸欄は朝日より充実しているが、最近連載が終わった小池真理子という人の「無花果の森」はお粗末だった。これでも直木賞作家の作品か。結局なにごとも起こらなかった。文学も音楽もなにかが起こらなければぜったいに駄目だ。小澤征爾とN響は死ぬまで待ってもなにも起こらないから駄目なのだ。短い文章なのに日経夕刊でいつもあざやかな火花を爆ぜているのが森岡正博の火曜日のエッセイ。「ソトコト」巻頭の福岡伸一、林望と並ぶ現代日本語随筆の三筆だ。


菅内閣。
予想通り、いやそれ以上にひどいものだが、そもそも汝政治に多くを期待するなかれ。それほど悲噴慷慨なさるのなら夫子自らやってみなはれ。他人の悪口は言えても自分でやるとなるとなかなか難しいものだよ。昔の明るいナショナル小泉自民党にくらべたら靖国に参拝しないだけでもはるかにまし。われわれとまったく変わらぬ凡人どもが、クラス委員よろしく下手くそなド素人政治やら裁判を悲喜こもごもわいわいがやがややるのが民主主義というもの。戦前のわが帝国や中国やビルマ、ロシアなどに比べればそれこそ天国と地獄の違いだ。ああ、素晴らしきかな、この駄目で無様で最悪な邦、ニッポン! このままよろめきながら遠くまで行けばいいんだ。沈みゆく真っ赤な夕陽に向かって。


NHK。
どうしていまのBS3チャンネルを、来年4月から2チャンネルに減らすのか。下らないあほばか民放チャンネルばかりうじゃうじゃ増やしていったいどうするんだ。総務省のくそたり。

N響 しかなたなく耳にしているが他の民間オケと比べて演奏内容が無個性でひどすぎる。無能オケにして無脳桶。即刻解散して公募でメンバーを再募集するか、経営をNHKから切り離して独立採算制で鍛え直すべし。泣く泣く滅びた新星日響の爪の垢でも煎じて飲め。

「坂の上の雲」のはるか坂下で子規死す。好漢香川照之選手が子規さながらに果てた。じつに立派な死に顔であった。このドラマはかの「龍馬伝」とおなじ伝で国家主義を時を得顔に鼓吹する低俗番組であるが、妙なところで時々面白い。前回は子規が「鶏頭の十四五本もありぬべし」と詠んだ根岸の子規庵がリアルに再現されていた。わが国の近代文学と近代建築の源流は、この粗末な木造平屋のガラス窓を流れていった四季折々の坪庭の風景から出発している。昔私がここを訪れたとき、寒川鼠骨の子孫に当たる年輩の女性が、子規の高弟が子規庵の保存に無関心であることを盛んに訴えて、なかなか帰してくれなかったことをはしなくも思い出したが、さもあらんか。


香川逝けり子規さながらに極月12日 茫洋


おまけの四題目
「親交が深い」。
とは同義反復。トートロ爺。すでにして親し、さすれば交わり深からぬはずがない。記者諸君は、ただ「親交があった」と書けばいいのだ。



by amadeusjapan | 2010-12-16 17:48 | エッセイ

「デスパレートな妻たち」第5集第13夜を見て



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.31

現在NHKで放映されているお馴染みの海外ドラマ番組です。原題:DESPERATE HOUSEWIVES、制作:チェリー・プロダクションズ/ABCスタジオ(2008年 アメリカ)ですが、面倒くさいので以下番組HPから引用します。
郊外に住む主婦たちの日常に隠されたさまざまな本音や苦悩を、ミステリーとサスペンスをからめ、コミカルかつスタイリッシュに描いたアメリカの人気ドラマシリーズ第5弾! 5年の歳月が過ぎてもウィステリア通りには騒動や謎がイッパイ! 
運命の愛を成就させたはずのスーザンに新たな恋人!? リネットの双子の息子たちは思春期に突入し、ガブリエルはすっかり地味なママに! ブリーは全米のカリスマ主婦への道を歩み始め、一人暮らしのキャサリンはさみしさを埋めるために…。そしてあのイーディも戻ってきた。もちろんただでは終わらない!!

その第13夜「ほほ笑みがえし」(原題The Best Thing That Ever Could Have Happened)には思わず泣いてしまいました。またまたHPを引用すると、

ウィステリア通りで便利屋をしていたイーライが亡くなり、ここに住む女性たちはこれまでどれほど彼に救われてきたかを思い出すのです。初め郊外の生活になじめなかったガブリエル。出産後、職場復帰を焦りとんでもないことをしてしまったリネット。2度も離婚したスーザン。前夫と破局したイーディ。そして、一度は料理本を書くことをあきらめざるをえなかったブリー。彼女たちがつらい時、いつもイーライがそばにいてくれた……。

というお涙頂戴の話なのですが、これがじつによく練られた台本(マーク・チュリー、ボブ・テイリー他)で、さすが本場アメリカらしい素晴らしい出来栄えでした。
しかもイーライ役を演じるのがゲスト出演のボー・ブリッジス。「ホテル・ニューハンプシャー」「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」をしのばせる渋い名演で梅雨空をさらにウエットに湿らせてくれたのでした。


父死にて泣けぬ我かと案じしがとどまることなく涙流れたり 茫洋



by amadeusjapan | 2010-07-04 14:23

私が好きなNHKの番組



バガテルop116

最近はケイタイのネットに押されて、新聞雑誌のみならずテレビの視聴率もどんどん下がってきたようで、たいへん結構なことだと思っています。つまらないものを無理してみることはありません。いいもの、すきなものだけ目にしておれば、人間きっと極楽往生できるでせう。

さて私は民放が苦手なので、テレビはもっぱらNHKを視聴しています。
 NHKのお気に入りは海外ドラマ。最近はやぶにらみピーター・フォークの「刑事コロンボ」と「アグリー・ベティ2」をかかさず見ています。前者のパターンは毎回同じで、犯行と同時に犯人(有名ゲスト)が出てきます。コロンボとやりとりしながらその犯行のトリックがあばかれていく謎解きがお楽しみ。ここまでパターンを固定していながら、毎回最後まで引っ張って行く脚本の力が素晴らしい。初めのころはスピルバーグも書いていました。

「アグリー・ベティ2」は、アメリカ・フェレーラというブスカワいいメキシカンが、NYの一流ファッション誌の編集部に入って大活躍するお話ですが、恋と仕事と人情話のあれやこれやもさることながら、アラフォーだかアラフィフ編集長のバネッサ・ウイリアムズとそのおかまの助手マイケル・ユーリーのポップな衣装が素晴らしい。よほど腕こきのスタイリストがついているのでしょう。

このほか先日終わってしまった「ダメージ3」というグレン・クローズ主演の弁護士物もむちゃくちゃ面白かった。グレン・クローズは悪人と正義派の両面の顔を持つ超やり手弁護士ですが、そこにローズ・バーン扮する若手女性スタッフやウイリアム・ハート扮する昔の恋人なぞとのえらい確執が絡んで、もはや何が正義で誰が悪か、誰が正義の味方で誰が悪人なのかわからんカオス状況に突入していく。グレン・クローズの灰色の瞳が象徴する人間存在の暗闇に、ペンライトひとつで侵入していく不気味さがたまりません。

猛烈に練りこまれた脚本もすごいが、時系列をあえて取り払ったアナーキーな演出が見る者の心理を揺さぶり、それがいっそうスリルとサスペンスを引き起こす仕掛けになっていましたが、もう続編はないのでしょうか。

最後に、私のいちばんお気に入りだった「サラリーマン・ネオ」をお蔵にした奴は誰だ。民放の笑いにもならないアホバカお笑い番組が氾濫するなか、あれには上質のユーモア、ウイット、批評精神が満載されていました。


♪N響、有働、山田アナ、私の嫌いなNHKもいっぱいあるでよ 茫洋



by amadeusjapan | 2009-12-08 10:57 | エッセイ

滋味ある演出



バガテルop88

なぜだか最近NHKと仲良くしている富士テレビが、「風のガーデン」に続けて山田太一脚本の「ありふれた奇跡」というドラマをやっている。自殺未遂の三人の男女を中心に展開する愛のドラマだが、前回は脇役の二人の女性の間でこんなシーンがあった。

ヒロインの母親役の戸田恵子が(女装趣味に走ったりしている夫にあきたらず)不倫に走ったが無残なまでに振り棄てられて落ち込んでいる。そこへ姑の八千草薫がウイスキー片手にやってきて慰める。

「まあまあそんなに落ち込んでかわいそうに。でもねえ、私もあなたくらいの年ごろの時にもう死んでしまおうと思ったことがあるのよ、あなたとは理由が違うんだけど」というような前置きがあって、彼女はいい歳をした家庭の主婦が亭主とは別の男に真剣に恋した話を淡々と語る。

俄然全身が耳になった嫁が、「まあ、お母様のような大人しい方にそんなことがあったなんて」と驚いていると、八千草薫が「でもあの男はよくなかった。やめておいてよかった。それが正解だったのよね」とさらりというのだが、その時遅く、かの時早く、戸田恵子は義母のその告白が嫁の行状の全てを鋭く見抜いたうえでの「お話」であることに気づいて愕然とするのである。

こういうさりげないけれども人間の心肝を寒からしめる「ありふれた奇跡の一瞬」こそ山田太一の真価であり、最近の若い脚本家にはなかなか真似ができない境地なのだろう。


長男と泉水屋にて京急バスの回数券買う楽しき日曜 茫洋



by amadeusjapan | 2009-02-09 21:46 | エッセイ

続・NHKが好き



♪バガテルop30

 昨日NHKには多少の知性があるが、民放にはそれもなくて痴性しかないと暴論を吐いた。しかしそれにはそれなりの原因がある。ドラマにせよ、ニュースにせよ、NHKと民放では制作費のスケール、そして制作費の大元である経営母体の売り上げが違うのである。

例えば民放首位のフジテレビの06年度の総売り上げは5826億、日テレ3436億、テレ朝2511億に対して、NHKは単体でも6432億、これに加えてNHK子会社は2310億の受信料収入予算をもって世間のよいこの皆さんに純良番組を提供している。
だから、その大半が民間企業からのCM収入に依拠している民放が、もしも本気でNHKの大河番組やスペシャル番組に挑んでも、はなから勝てるわけがないのである。

 もしも民放がNHKのような「世のため人のためになる番組?」を真剣につくったとしても、テレビを玩具にしながら自らも資本のペットと化しているあほばか大衆の視聴率は取れないし、取れなければ売り上げが減って会社がつぶれてしまうので、民放はますますあほ馬鹿番組の制作に血道をあげ、かくて我ひとともに文字通りの白痴となって亡国の道を疾走するしか能がないのである。

スポンサーと巨大広告代理店だけが神様である民放には、そもそも表現の自由も真実を追い求めるジャーナリズムもへったくれもはなから存在せず、普通の企業と同様の単なる熱烈な利益追求会社であるにすぎない。その点では、南京虐殺番組ひとつをとっても政府御用達のNHKのほうがまだましなマスメディアである。

聞けば、NHKの番組受信料が高すぎるからもっと安くせよ、と総務省の役人が迫っているようだが、私は年間1.5万円くらい払い続けても構わないからNHKはあまり視聴率を気にせず、いまのままでそれこそ粛々と番組つくりに精出してほしいと思っている。

問題は、あほばか番組に狂奔する民放である。

NHKは有料だが民放は無料だと思っている人がいるかもしれないが、トンでもない。06年度のテレビ広告費2兆円の実態は、すべてトヨタやサントリーや資生堂やソフトバンクなどの大企業の広告宣伝費であり、その膨大な経費の大半は、私たちが購入するカローラやウーロン茶や白つばきや携帯の価格に全額転嫁されている。

では具体的にどれくらいの金額なるのか計算してみよう。
さきほど述べたように06年のテレビ広告費はおよそ2兆円、これをわが国の総所帯数約5000万で割ると1軒当たりおよそ年間4万円を私たちは身銭を切って負担していることになる。ちなみに現在あほ馬鹿民放局は東京だと5局あるから、われらあほ馬鹿視聴者は、1局あたり年間8000円も投じてあほ馬鹿番組の制作に全面協力していることになる!

このように民放のあほばか番組は、私たちのとぼしい財布のお金を原資として、どこの誰とも知れないあほばかプロぢゅーサーとその奴隷的抑圧のくびきにあえぐ低賃金労働者たちがせっせせっせと製作しているのだから、私たち納税者ならぬ第1次スポンサーは、もっと声を大にして彼らの視聴率第1主義と拝金主義、ならびにその非人間性と低俗性と死に至るニヒリズムをテッテ的に攻撃し、「私たちが本当に見たい番組」をつくらせるようにダンコ要求するべきなのである。っっと。

もっとも「その私たち」が本当に見たい番組が、あの「オーラの泉」や「ズバリ!言うわよ」であるならば、それこそ「なにをかいわんや」なのですがね。


♪天高く鳥に告げたり残し柿



by amadeusjapan | 2007-11-30 11:49 | エッセイ

NHKが好き



♪バガテルop29

私は何を隠そう民放テレビ大嫌い、NHK衛星放送大好き人間である。その理由はいままでさんざん民放テレビで放送される番組、ではなくて、その番組のおまけで放映されるCMをさんざんつくってきたので、もうCMなんか二度と見たくもないからである。

CMのない番組といえばNHKしかない。そこで朝から晩までNHK、特に衛星放送のニュースと大リーグ野球と海外ドキュメンタリーとよいこの童謡とちりとてちんとFMと映画とクラシック番組を鑑賞し、あとの2種類についてはすべて録画してDVDに収めている。
恐らくその大半は墓場の中でゆっくり鑑賞することになるだろうが、それがまあ私の唯一の趣味といえば趣味である。

私はニュースもCMがみだりに乱入しないNHKの、とくに衛星第一放送の定時放送を好む。理由は第一に私の好きな冷たい美貌のひらゆき姫が出てくるからだが、美形の女子アナにかまけているのは民放も同様だから、この点ではあまり大きな違いはない。思えば80年代のテッド・タナーのCNNがこの素敵な悪趣味を先導したのだ。

理由の第二は、NHKが報道価値が高いと彼らなりに判断した価値観の順番にしたがって、つまり重厚軽薄の濃度の順に、それなりの報道人らしい秩序と規律をもって、事実だけをたんたんと普通の日本語でアナウンスするからである。

多くの民放テレビのように、ニュースと娯楽、犬と猫、味噌と糞とを混同したり、脳天を直撃するような金切り声(特にフジテレビの女子アナ)で絶叫したりしないからである。

番組の最中に食事をしたり、セックスしたり(はしないか)、実際にはその場にいないはずの人物の品格皆無の馬鹿笑いが聞こえたり、いったいどこが面白いんだか食えないメニューを美味そうに食うという虚偽を演出してぬか喜んだり、「実食!」などと奇怪で醜い造語を乱発したり、平気で漢字を間違えたり、それを絶対に訂正してお詫びもしなかったり、ナレーションの7割を体言止めにしたりしないからである。

そして第三に画面のレイアウトが、きれいとまでは言わないが、まずは普通でおとなしいからである。民放の白髪3千丈風の扇情的なテロップ、まずい食い物をマイウーとうなり、腹の中では驚いてもいないのに、ウソオーとおどろいて見せ、まともな情報は皆無でもこれでもかこれでもかと羊頭狗肉を叩き売り、朝のテレ朝の時刻表示の人を馬鹿にしているような異様な大きさを見よ!

民放のほとんどの番組は、私のような棺桶に片方の足を突っ込んでいる超保守的視聴者にとっては糞であり、奇体なガジェットであり、空虚なごらくであり、文字通り無意味な、死せる映像と音声の氾濫である。こんなもん全局今日の午後に突然なくなっても、おいらはちっとも構わないぜ。

ではあるが、しかし民放がぜんぜんだめかというとそんなこともなくて(笑)、先日ビートたけしが主演する松本清張原作のテレビドラマ「点と線」を見て、久しぶりに面白かった。

 昔原作を読んだときには1番線から15番線の間に4分間だけ見通せる時間帯があると思っていたのだが、13番線から15番線だというので、それなら40分くらい空白の時間があったのではないかと思ったりしたが、それもやはり私の寄る年波にせなのであろう。

しかし惜しむらくは演出がまるでゆるかった。音楽もおざなりであった。あれだけ制作費を投入するなら、せめて霊界で暇をもてあましているだろう野村芳太郎とか内田吐夢に演出させ、伊福部昭か武満徹に曲をつけさせたかったと思うのは、私だけだろうか。



by amadeusjapan | 2007-11-29 09:12 | エッセイ

あまでうすが綴る音楽と本と映画と詩とエッセイ
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